香多くんの秘密

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ゴールデンウィークが終わって最初の撮影で俺は伊織先生からペットボトルを渡された。 「伊織先生、これ何?」 「瑠璃んとこの校長へのお土産だ!頼まれてたんだよ~」 俺はペットボトルを光に透かして見る。 「……ただの水に見えるんだけど?」 「はっはー。それは瑠璃と香多くんが浸かった温泉水だ!校長がすごい楽しみにしてたんだよ!」 俺はペットボトルの蓋を開けて水を捨てる。 「何をするーー!」 更にペットボトルをぶん投げる。 「変なお土産、用意するな!香多くん!」 香多くんはペットボトルを拾い、それに水道水を入れる。 「これ以上、校長を妖怪化させないでね」 伊織先生は泣き崩れる。 「校長が喜んで飲んだかも知れないのに!校長にとって不老長寿の薬かも知れないのに!」 そんなんだから、香多くんに妖怪って言われるんだよ。
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