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「でも、どうしよう!旅行には行きたいけど、海に入らないのは不自然だし・・・」
「山に変えてもらったらええんちゃうん?」
「瑞希お兄ちゃんは海に行きたがっているんですよ!?好きな人の要望に応えるのが、好感度アップの条件でしょう!?」
「せやけど、それで女の子ってバレて、自分はかまへんのかー?」
「かまうね!ダメだね!」
ということは・・・・・
「・・・・・・・あきらめるしかないの・・・・・?」
瑞希お兄ちゃんとの旅行。
好きな人との、初めてのお泊り旅行。
「あかんで!!」
情けなくつぶやいた瞬間、怒鳴られた。
「キャンセルするのはあかんで、凛!」
「ヤマト・・・・」
「このタイミングでバレちゃあかんと、わかってるとは思うが、あかんで、凛!?恋は、常に粘ったもん勝ちや!」
「ヤマト。」
「まぁ、わしは前回粘ってあかんかったけど、凛はあきらめたらあかん!凛みたいなええ子、幸せにならにゃあかんで!?」
「ヤマト・・・さっきと言ってること違わない・・・?」
「思春期はいろいろあるねん!ほなしゃーない!『あの手』で行こうや!」
「あの手?」
「せや!女の子やとバレないで、瑞希はんらと海に入れる方法やぁ~!」
「なにっ!!?そんな方法あるの!?」
グワッシッ!!
「がは!?」
思わず胸ぐらをつかめば、ヤマトの首が変な音を出す。
「ど、どーすればいいの!?どうすれば、バレないの!?ねぇ!?」
「ちょ、あかんあかん!苦し・・・!」
「どうすれば、瑞希お兄ちゃんの生の水着姿を間近で見られるの!?ねぇ!?」
「ちょ、思考が思春期男子になっとるけど、ええんかい・・・!?」
「いいから!どうすればいいのぉ~!?瑞希お兄ちゃんとお泊りしたいんですよぉ~!!」
「わしは、首絞めをやめてほしぃい~~~~~!!」
その後私が、ヤマトから『思春期男子が思いつく方法』を聞きだしたのは30分後のことだった。
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