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(・・・・・・いくら冷静さを失ったとはいえ、30分も締め上げちゃって、悪いことしちゃったなぁ~)
その時のことを回想して反省する。
ヤマトへのお土産、奮発しよう。
「どうした凛!?急に、シリアスな顔しやがってよぉ~?」
「え!?い、いいえ!なんでもないです、瑞希お兄ちゃん!」
バイクのミラー越しで心配してくれる人に、左右に首を振りながら答える。
「もしかして、海、嫌だったか・・・・?」
「な!?違います!僕はただ!」
「なんだ?」
「え、えーと~海の家で何を食べようかと思って、悩んでいただけでして・・・!」
「え!?腹減ってるのか、凛!?」
「そ、そんな大げさなほどじゃないですよ~ただ、軽く何か食べたいなぁーと!」
「なんだよ~それなら、そうと言えよ!」
ホッとしたような、さわやかな笑顔で好きな人は言う。
「そんじゃあ、凛のためにもフルスロットで飛ばすかぁー!?」
「わはははは!競争か、瑞希!?」
「お♪久々に良いねぇ~」
「せったくだしぃ~負けた人のおごりねん♪」
「俺は海鮮丼でいいぞ。重り付きの瑞希。」
「誰が漬物石だ!?最下位だ伊織!?凛、しっかり体に捕まってろ!ガチで飛ばす!!」
「つかまっ・・・!?もちろんです!!」
獅子島さんのおかげで、合法的にギュッと瑞希お兄ちゃんの体にしがみつけた。
「あーん、そうやって凛ちゃんとイチャつくしぃ~」
「いつものことだろう。」
「ということで勝負と行こうか。」
「レディ・・・・・・・GO―――――――――――!!」
「わはははははは!!」
烈司さんの合図で、各自のバイクのエンジン音が上昇する。
道路いっぱいで平行に並び、一般車から見れば、ご迷惑な走行。
プロのバイクレース顔負けの加速で海へと向かう。
(ああ~瑞希お兄ちゃんに密着できて幸せ♪)
なかなか、ラブストーリーのような展開がなかったけど、これで希望が見えてきた。
テンション上昇で、そっと彼の背中に頬ずりしたのだった。
〔★凛はちゃっかりしている★〕
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