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「獅子島様!それに皆様もおやめください!凛道様が怖がってるじゃないですか?」
「わーん、女将さーん!」
助けてくれそうな人がいたので、荷物を放置してその背後に逃げこむ。
「ああ、よしよし、かわいそうに。」
「女将!我が家のことに口出しをされては困るぞ!?」
「凛ちゃん、モニカちゃん、怖くないよぉ~帰っておいでぇ~」
「わはははは!熟女の色気たっぷりの女将に泣きつくとは~好きもんだなぁ~凛助ぇ~!?」
「凛をテメーと一緒にするな、ボケ!り、凛、悪かった!喧嘩しねぇから・・・なぁ?」
「そうそう・・・しゃーねぇーからここは、平和的に凛たんの希望を優先しますか?」
「ぼ、僕の希望?」
「瑞希が良いんだろう?」
「っ!?」
烈司さんの言葉に顔が熱くなる。
図星と、罪悪感と、胸の高鳴りが混ざり合う。
「烈司。」
「譲ってやるよ、瑞希。じゃんけんやくじびきだと、俺にしかならないからなぁ~?」
「れ、烈司さん・・・・!」
(なんて良い人なの・・・!!)
そんな私の気持ちが顔に出ていたのかもしれない。
「そ、それなら、モニカちゃんだってみーちゃんに譲るわよ!善意だからね、善意!」
何かに気づいたように、モニカちゃんが叫ぶ。
「チッ!・・・女将、部屋割りは変更だ。瑞希と凛道を一緒にしてくれ。これも善意だ。」
続けざまに、いまいましそうに、獅子島さんが言う。
「わははははは!」
最後に百鬼が笑ってしめる。
「その代わり、2人きりにならないように邪魔しに行くからなぁ~・・・!?俺様からの善意・・・!!」
「あなただけは絶対違うでしょう、百鬼さーん!!」
〔★そういう顔をしている★〕
こうして、私と瑞希お兄ちゃんは同じ部屋になれた。
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