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荷物を部屋に置き、着替えてからビーチへと向かった。
「わぁ~きれいな海ですね~」
「わはははは!まずは腹ごしらえだぜ!」
「準備運動と水分補給だ、馬鹿者。いくら馬鹿なお前でも、熱中症でどうにかなるぞ。」
「この分なら、夜の花火も楽しめそうだわ~」
「ついでに肝試しでもするか?」
「凛、こっちこい!はぐれるなよ。」
「あ、はい・・・・!」
私を気遣う言葉に合わせ、手が伸びてくる。
瑞希お兄ちゃんのキレイな手。
仕事でボロボロになっている働き者の手。
その手が私の手をつかむ。
ギュッ♪
にぎってくれた。
「あーん、みーちゃんばっかりずるい!」
「あまり目立つなよ、お前ら。」
「無理じゃねぇ?可愛いコンビだから?」
「わははははは!」
「誰が可愛いだ烈司この野郎!皇助も笑うな!」
(可愛いコンビ・・・・か。)
男の子同士でそれはアウトかもしれないけど、コンビと呼ばれるのは悪くない・・・・かも。
(コンビもいいけど、恋人同士も・・・・)
チラッと目だけで相手を見る。
私の好きな人は、幼馴染相手に怒っている。
からかわれているだけなのに、本気でお説教しているところも愛しい。
細マッチョでしなやかな身体は美しい。
風になびくサラサラの髪と、桜色の唇。
誰もが、瑞希お兄ちゃんを見て振り返る。
「ねぇ、あの人、可愛くない?」
「イケメンだよね~」
(ですよねぇ~!!)
まばゆい太陽の光の中、瑞希姿の瑞希お兄ちゃんがまぶしい・・・!
「りーん、どうした?目ぇ細めて?」
「あ、いえ・・・まぶしくて・・・!」
「じゃあ、ゴーグルやめて、サングラスにしろよ。ほら、貸してやるから。泳ぐまで、こっちにしとけ。」
「あ・・・すみません。」
海に来るということで、今回ばかりはシルキロールはやめた。
さすがに、口元にマスクは怪しい。
元々、顔の半分が隠れていれば、私だと判明しなければいいだけの話。
だから、目元を隠すためのゴーグルも用意してきた。
持っていたけど・・・瑞希お兄ちゃんにすすめられ、サングラスに切り替える。
(だって、瑞希お兄ちゃんが身につけていたものだもの♪)
〔★動機は不純だ★〕
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