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「円城寺。」
「あ!?な、なんだ・・・?」
「総長代行の仕事は、総長補佐と同じだ。けど、俺がいろんな事情で地元をあけたり、どうしてもオメーらと合流できないときは、お前が龍星軍の頭だ。」
「凛道・・・・」
「そういうわけだから、可児!」
「は、はい!」
「その時は、副総長として『総長』代行に忠実に従ってくれ。」
「は・・・・・・・いいい!?そ、そいつに従えと!?」
「言っただろう?『総長』と名のつく者の命令に従ってもらうと?お前だって、誓いを立てたじゃないか?」
「そ、そそそ、そうですが!円城寺なんかの下につくのは!!」
「総長の命令が聞けねぇのか、副総長!!?」
「いっ!?と、とんでもない!!従いまー・・・・す・・・・!!」
「わかりゃいい。」
目を潤ませながら誓ってくれる可児君は、本当に情に厚いと思う。
〔★泣いてるのは別の理由だ★〕
「じゃあ、円城寺君。腕章を。」
「来い、大河。」
「あ・・・・はい・・・」
瑞希お兄ちゃんに呼ばれ、私から離れる円城寺君。
うつむき加減で歩く姿に不安を覚えたが、
「円城寺大河、初代総長代理の腕章、受け取ってくれるな?」
「瑞希先輩・・・・」
「ほら・・・」
顔を上げた円城寺君は、差し出された腕章を受け取らない。
「瑞希先輩は・・・知ってたんすか?」
「なにをだ?」
「総長代行・・・・」
「初耳だよ。凛に任せたから、好きにさせた。」
そう言って、さわやかな笑みを浮かべる愛しい人。
「受け取ってくれるか?」
「俺に・・・・・あんな醜態見せた俺に、受け取る権利あるんすか?」
「ある。」
心地よい声が、円城寺君に語り掛ける。
「オメーは、凛と4代目総長を争った男だ。オメーだからこそ、俺も任せられるんだ、大河。」
「―――――――――瑞希先輩!!」
それで円城寺君の手が腕章をつかむ。
「円城寺大河、龍星軍初代総長代行を慎んでお受けいたしますっ!!」
「おう、頼んだぞ。」
「はいっ!!」
瑞希お兄ちゃんから円城寺君への引き継ぎは成功した。
私には見せることのない、瑞希お兄ちゃんだけにしか見せない顔でうなずく円城寺君。
無邪気な子供のような姿だった。
〔★大河は総長代行の腕章を手に入れた★〕
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