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「わ、わからないだ??」
「はい、まったく。なんの話ですか、瑞希お兄ちゃん?」
「おいおい、瑞希お兄ちゃんよ~凛たんに話してないのかよー?」
ギョッとする瑞希お兄ちゃんと、茶化しながら呆れる烈司さん。
「馬鹿!俺は凛にちゃんと話して~・・・・凛、忘れたのか?旅行の話?」
「旅行?」
それで思い出す。
好きな人に言われた言葉を。
「夏休みに、お泊りで遊びに行くお話ですか!!?」
自分でも、アゴが外れるんじゃないかというぐらい大口で叫ぶ。
「そう、それそれ!」
そんな私に、瑞希お兄ちゃんは体ごとこちらへと向きなおしながら言った。
「風呂に入った時と、幡随院に会いに行く前にも話してただろう~?」
「あん?なによ、オメーら?そんな前から計画して、話し合いしてたのか?」
「い、いえ!?そんな、そこまで深いことは~」
言われて瑞希お兄ちゃんの裸・・・いえいえ!!
瑞希お兄ちゃんとの会話を思い出す。
「夏だから、海に遊びにでも行こうという話をしただけで~」
「海にでもじゃなくて、海がいいなって言ったんだよ!たく・・・あいまいな言い方しやがってー・・・・!俺とは出かけたくねぇーのかよ?」
「はああ!?そんなわけないでしょう!?行きたい!行きたいでーす!お連れくださーい!」
「おわっ!?」
口をとがらせながら言う相手に、ガバッと抱き付きながらお願いする。
「お願いします!僕、瑞希お兄ちゃんと遊びに行きたいです!!お願いですから、連れて行って下さーい!!」
「ま、まて、落ち着け、凛!」
「おいコラ!暴れるな、あぶねぇー!!」
運転席と助手席の間に体を押し込めてお願いする。
〔★実際は暴れている★〕
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