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……わぁ、邪念が黒い煙になってステンドグラスを渦巻いていたけど、空から太陽さんの光が下りてきた感じ。すぐに消えちゃったわ。空気の精霊さんも、風の精霊さんも、一斉に列を作って進み始めた。今まで道があるようで無かったんだ。だから色々なものが入り混じってたのね……
陽月の目には、このように映っていた。
(いいなぁ。陽月の目には、視えてるんだろうな。浄化されたところ、そして精霊が。こんな時、少しだけ羨ましくなるんだよな)
琥珀は毎回思う。
「終わったぞ」
ノワールは静かに手をおろし、一同に告げた。
「お疲れさん。喜響、ありがとな」
「「有難う!」」
琥珀に続いて、陽月、萌音が礼を述べる。
「よし、七不思議その②は解決! と。では次に行こう。その③理科室の人体模型は、人間に戻りたくて目が合った人の心臓を抉り取ろうと狙っている。だから目を合わせてはいけない。だけど、もうすぐ4時30分だ。先にその④に行こう。西側4階の踊り場に、等身大の鏡がある。そこに午後4時44分44秒に自分の姿を写すと、自分についてる悪霊や邪霊、所謂よくないモノが見える。そして見えたものは、その代償に鏡の世界に引き込まれてしまう。これだな」
喜響を先頭に一列に並び、廊下を進んだ。
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