第四帖 フェリシティ学園高等部における七不思議 行動編

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(……あれ? 俺ってこんな顔してたっけ? なんかもっと……あれ? 俺ってなんだっけ?)  琥珀はじっと鏡の中の自分を凝視して7分が経過しようとしていた。軽く混乱している様子だ。 ……なんだか鏡に映る世界って、どこか現実と違うというか。全て反対に映る世界だから、てだけじゃなくて、ほら、左右の絵や写真を見比べて違う箇所を探すゲームみたいな感じ。すごくそっくりなんだけど、どこか違う、みたいな……  陽月は頭がクラクラし出した。 (……鏡に映るの、琥珀が琥珀であって琥珀じゃないような……あれ? 何言ってるの?私……)  萌音も頭がふらついてきた。その時、 「はいはい! そこまで!」  と言いながら喜響は琥珀と鏡の間に瞬間移動し、鏡を遮るように琥珀の前に立った。 「あれ? 俺……」  琥珀はいきなり頭の中がクリアになった様子で、今までの自分に首を傾げる。喜響と同時にノワールは、傍らの陽月と萌音の間のやや後ろに立つ。そして右手で陽月の右肩を、左手で萌音の左肩を抱え込むようにして回すと 「こら、二人ともしっかりしろ!」  と声をかけた。 「あ……」  陽月はすぐに正気に戻った。 「あっ!」  萌音もである。だが左肩に触れるノワールの手を見て、頬がかすかに桃色に染まった。 「皆、少し催眠状態になっていたんだよ。まぁ、一種の自己暗示というかね」  喜響は明るく朗らかに切り出した。 「え? どういう事?」  琥珀はすぐに問い返した。ノワールに軽く促され、陽月と萌音は琥珀の傍へと集まる。ノワールもゆっくりと後を追った。 
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