第三帖 フェリシティ学園高等部における七不思議 考察偏

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 琥珀は手元に置いてあった大学ノートを見ながら言葉を発する。 「えーではでは! 『フェリシティ学園高等部における七不思議』 その①   校舎入り口にある『フェリシティ学園乙女の像』は、引き離されてしまった恋人を探し求めて夜な夜な彷徨い歩く。それを見てしまった者は異世界に連れて行かれる。 その②  校舎玄関先に飾られている白ユリのステンドグラスが、黒く染まっているように見える時はその人に不吉な事が起こる。 その③  理科室の人体模型は、人間に戻りたくて目が合った人の心臓を抉り取ろうと狙っている。だから目を合わせてはいけない。 その④  西側4階の踊り場に、等身大の鏡がある。そこに午後4時44分44秒に自分の姿を写すと、自分についてる悪霊や邪霊、所謂よくないモノが見える。そして見えたものは、その代償に鏡の世界に引き込まれてしまう。 その⑤  図書室に午後4時44分44秒に一人でいると、平安貴族の男子が現れ、古典和歌を詠ませられる。答えられないと異世界に連れて行かれる。詠むと辛口の批評をされる。 その⑥  音楽室は午後6時を過ぎるとピアノの音が鳴り響く。曲名は『パッヘルベルのカノン』。ピアノを弾いているのが誰なのかは不明。それを見てしまったものは、あの世へと連れて行かれてしまう。 その⑦  最後の一つは謎。これを知ったものは呪われる。  以上だ」  琥珀は締めくくった。陽月もしっかりとメモを取っている。聞き終わったあと、一同はそれぞれ、改めて七不思議を一つ一つ確認し始めた。皆真剣そのものである。
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