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始まらなくても終わる事はあるのか
「失恋ってさ、自分の中に恋心があるうちは、失恋じゃないんだよ、多分」
泰の唐突な言葉に、輝美も何か思うところがあったのか、答えた。
「始めずに、そのまま自分の中で眠らせる事もできるって事?」
「ま、それは、水出が好きにすれば」
泰は立ち上がって、冷蔵庫の中から作りおきのアイスコーヒーのペットボトルを取り出した。
「二人は? いる?」
泰は、合宿用に天文部員が置いている不揃いのマグカップにアイスコーヒーを注ぎ、輝美と鈴香に渡した。
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