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「相手がいなくても、恋ができるよね、若い頃ってさ」
そんな風に言う泰は、その失恋以降にもそれなりに色々あっただろう事を思わせたが、輝美と鈴香はそれには触れなかった。
部長の夕乃がそろそろ鍵をしめると呼びに来たので、その場はおひらきになったのだが、最後の最後に泰が輝美に言った。
「気になるのなら、本人に聞いてみるのが一番いいよ、少なくとも、コンタクトとる方法はあるんでしょ? ま、自分の妄想であれこれ考えている間は、それはそれで楽しくはあるけどね」
ぐっとらっく、と、言わんばかりにサムズアップをしてみせる泰に、輝美は恥ずかしそうにピースサインを返した。
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