4日目

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お葬式が終わると、私はお骨を拾わずに帰路についた。 花束に包まれて目を瞑る快晴くんは、たしかに昨日まで隣にいた。 だから、信じられなかった。 並木道に行けば、また会えるんじゃないだろうか。 家に帰ってから荷物を置いて、服を着替えずに飛び出した。 途中で止んでいた雨が降り出したが、気にせずに走った。 今日は珍しく、人が何人か並木道を歩いていた。 どんなに目を凝らしても、快晴くんはどこにもいない。 自然と、体は動き出していた。 勢いをつけて、一歩を踏み出す。 タッタッラタ、ラッタッタ 足を運ぶ。 タッタッラタ、ラッタッタ 靴の音を鳴らす。 雨が頬を濡らして、堪え切れなかった。 歩く人が私を怪訝そうな目で見るけれど、気にしている余裕なんてなかった。 腕は、こっちじゃなくて、こう曲げる。 足先は、もっと流れるように。 なんだ、ちゃんと曲がるじゃん。 痛くないじゃん。 踏切が見えたところで、また左足がフッと軽くなった。 飛んでいったそれは、黒ではなく赤だった。 間違えて、いつもの赤いサンダルを履いてきてしまったらしい。 うまく踊れた。今まで以上に。 それを快晴くんに、教えないと。
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