神々の存在意義

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「で、ですからね」 緊張していた場を取り繕うように言う。 「これからは我々が何をするかを前向きに検討していきたいのですよ」 「そんなことはわかっています。わからないのが、何をすれば良いのかということだけ」 「正直なところ、今でも不思議ですからね……。もう何がなんだか」 凛々しい者も、醜い者も、異形の者も、みなそれなりに知恵はあるはずなのに考えが何も出てこない。そもそもこの状況が理解出来ていないのである。 「私は個人で行動をしたい。……あなた達とはわかりあえない。私があなた達を認めることは、私を否定することになる」 「でも、あなただけで一体何をすると言うのですか」 「それは全員が集まっても同じことだろう。一体何をするのか、これは各々が決めなくてはいけない。困惑するのも仕方がない状況ではあるが、集まったところでどうにかなるほど単純なことではないのだ。では、私はここを抜けるとする」 そう言うと、彼はこの場を離れていった。それを見て、ぽつりぽつりと抜けていく者が現れていく。 「……仕方のないことだ。よし、皆さん!今から私達は完全に自由となりました。お一人で行動するも良し、グループを作るも良しです。相手に無礼のないようにすれば、何でもありだとします」 この声に対して不満の声は出なかった。そうして、数多くの神々が戸惑いの表情を浮かべながらもうろうろと動き出す。
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