第一章 淫靡

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嘉門朱音は、桜川家から嘉門家に嫁入りして四年になる。 あと少しで五年目に入ろうとしていた。 朱音は、旦那の書斎に入ってみる。 書斎の机の上にあるタバコを一箱手に取る。 旦那はカートン買いしているので、一箱無くなっても分からないだろうと思って、 失敬して書斎を出て行く。 朱音は、タバコは吸わない。 26歳の今まで吸ったことが無い。 何故そんなことをしたかというと、 最近イライラが続いていて、タバコを吸えば解消するのではないかと思った。 朱音は、近くの公園でタバコに火をつける。 煙を吐き、三服ぐらいしたら頭がクラクラとしてくる! 気持ち悪くなって、灰皿にタバコをねじ込み消す。 ベンチに座り、しばらく遠くの方を見つめていた。
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