第一章 淫靡

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茶室に男は入っていく。 朱音は、中に入るのは遠慮して和菓子の箱だけを入れる。 「ありがとうございます。朱音さん」 「それでは、わたしはこれで、、」 「あぁそうだ、自己紹介はまだでしたね、僕は、円城寺光輝(こうき)と申します。」 「わたしは、嘉門朱音と申します。」 「結婚しているんですね、」 「はい、なぜですか?」 「いやっ、お姉さんの旧姓と違うもので、それで、、」 円城寺という人、そこまで知っているのか! 「それでは、円城寺さん、失礼します。」 「あっ、はい、ありがとうございました。」 円城寺さんは、何か言いたそうだったけど、 朱音は、聞かない素振りして、 頭を下げて、門に向かって歩いて行く。
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