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茶室に男は入っていく。
朱音は、中に入るのは遠慮して和菓子の箱だけを入れる。
「ありがとうございます。朱音さん」
「それでは、わたしはこれで、、」
「あぁそうだ、自己紹介はまだでしたね、僕は、円城寺光輝(こうき)と申します。」
「わたしは、嘉門朱音と申します。」
「結婚しているんですね、」
「はい、なぜですか?」
「いやっ、お姉さんの旧姓と違うもので、それで、、」
円城寺という人、そこまで知っているのか!
「それでは、円城寺さん、失礼します。」
「あっ、はい、ありがとうございました。」
円城寺さんは、何か言いたそうだったけど、
朱音は、聞かない素振りして、
頭を下げて、門に向かって歩いて行く。
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