創世記

7/8
前へ
/12ページ
次へ
 さて、私は、地球の製作には、特に愛情を注いだ。まず、原理原則を重んじる以上、最初から完成品を並べる訳にはいかない。  物事には、原因があって結果が伴うから、地球は、ドロドロに溶けた溶岩を固めて作る。  溶岩は、冷やされ、自転や軌道を周回する事により、球形にする。  これで、一応は土台ができた。  次に、地球にガスを発生させる。ガスは雲を作り、雨となり、海になる。  ここで、人間……。と、言う訳にはいかない。  海は酸性で、酸素は稀薄なので、高等生物の棲息には適さない。  まずは微生物、単細胞生物、プランクトンに地球の環境を調えてもらう。  やがて、無脊椎動物から脊椎動物へと変化を遂げる。私は、原理原則を守るため、長い年月を掛けて生物の変化を続けてきた。  それは、後の人間には、偶然による突然変異であるように見えるだろう。だが、全ては私の計画によって進んでいる。  必要に応じて、段階的に生物を変化させている。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加