開幕

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
 引っ越して、一つだけ良い事があった。それは、部屋が広い。今まで使っていた部屋の倍はある! せめてもの救いと思い込むことにした。  その日は荷物を広げてたら終わった。  翌日は、今度通う高校へ…。両親が車で送ってくれた…。  車まで、片道30分超えるなんて…、やっぱ帰りたくなった。  放課後に、先生に連れられ部活動を見学に回った。  この高校は、部活動が盛んみたいだけど…。  先に言い訳すると…。  引っ越しから転校の環境変化で、気分が滅入っていたんだと思う。  普段ならあんな事言わないのに…。  色々と見学して回っていた時に、ふと目に止まったのは…。  モップ(?)を持った女子の集団…。 「なんですかアレ? お掃除部ですか?」  その声は、それ程大きく無かったと自分では思わなかったけど…。 「見ない顔だね。」 と、モップを持った上級生らしいが私に…。 「私達を、お掃除部だなんてどの口が言うんだ!」  声に怒りがこもっている。 「ご、ごめんなさい…。」  圧に押され、謝っていた。 「謝るぐらいなら、最初から言うんじゃないよ!」  謝った事で更に怒りが増した様だ。 「あの、そんなつもりで…。」 「どんな、つもりがあったかなんて知らないけど…。」 と、口を継ぐんだ。その時、目は悪戯っ子になっていたのに、頭を下げていた私は気が付かなかった。     
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!