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その日から、美穂子は一度もアパートに帰って来なかった。
それを良いことに、俺は新しい彼女を部屋に呼び、新しい同棲が始まった。
彼女は美穂子のものをそのまま自分のものとして使い、あろうことか美穂子が残した金銭まで使い果たした。
最初は幸せだった生活も、1ヶ月程経つと飽きてくる。
何せ彼女は最悪の女で、ワガママばかり言うだけで家のことは一切手をつけなかった。
このままでは彼女に金も時間も全て吸いとられる。
美穂子が恋しくなるのも無理がなかった。
もう一度やり直そうと、彼女に隠れて何度も電話をした。
だけど美穂子が出ることはなかった。
何度も何度も電話して数日後、俺は恐ろしい事実を知った。
「美穂子はもう亡くなっています」
家から出た夜、交通事故で死んでいた。
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