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「僕は違う!何にもやってない!」
拘束された手足をバタバタさせながら目を見開いて、命乞いをする別のクラスメイト。
そうだよ。彼は何もしていない。何もしていないどころか、僕の存在自体気づいてなかったんじゃないだろうか。
「嘘おっしゃい!」
必死の命乞いも虚しく、母さんは彼の首に勢いよく包丁を振った。
なんかもう、凄い!上手い!何で殺すのこんなに上手いんだよ母さん!ホントに素人か?
びっくりするくらいの量の血を噴いて、彼は倒れこんだ。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいいい!!」
半狂乱になって泣き叫ぶのは、僕が淡い恋心を抱いていたミネギシさん。彼女は僕が触ったってだけでノートを捨てたっけ。「気持ち悪いから」って。でもさ、憎んでなんてなかった。死んでほしいなんて、これっぽっちも思ってないよ。
それなのに……
「地獄に堕ちろおおお!!」そう叫ぶ母さんに、いとも容易く昇天されたミネギシさん。失禁しながら泡を吹いてこの世を去った。
もう惨すぎて、殺害方法には触れたくないよ。
わかってる?わかってるか母さん。この瞬間から僕は、死後の世界でも同級生から虐められるんだぞ。
「お前のせいで」って。
ほうら、死んだばかりのミネギシさん達が早速僕を睨んでる。
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