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だけど良心が邪魔をして、美穂子に別れを切り出す勇気がなかった。
だから俺は、言葉ではなく、雰囲気で伝えることにしたのだ。
美穂子が帰ってくることを知りながら、新しい彼女を部屋に呼び、ちょうど良いタイミングで、俺達は愛し合った。
それは、美穂子としていた時よりも、遥かに情熱的で濃厚なものだ。
帰ってきた美穂子は、驚いて、暫く動かなかった。
俺達はマヌケ面の美穂子を二人で見つめながら、激しくお互いを求め合った。
美穂子が泣きながらアパートを出ていった時、俺は解放されたことによる爽快感でいっぱいだった。
「ざまあみろ。今まで俺を縛り付けやがって」
そんなことさえ思っていた。
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