檸檬の雫

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言えなかった気持ちに、いつか決着をつけなくてはいけない。 四人で海に行って以来、莉那は強くそう思うようになった。 そんな折、莉那は旭に誘われて近所の集会所で開かれる地区の祭に赴いた。 夕闇の中、オレンジの灯りがいくつも浮かび上がっている。 盆踊りの音頭、はしゃぐ子供の声。懐かしさに胸がいっぱいになった。 「地区のお祭にくるなんて、ほんと久しぶり。旭はわたしがいないあいだもお祭りにきてたの?」 「いや、行ってねぇよ。リナがいないのに行く意味ないだろ」 恋愛に疎い旭の天然女キラーな言葉に、莉那は眩暈を感じた。 旭に好かれているんじゃないかと勘違いをしてしまう。 「誘ってくれてありがと、旭。今日は菜々美は誘ってないの?」 てっきり菜々美も誘っていると思っていたが、一向に彼女が現れない。 莉那が不思議に思って尋ねると、旭が小さく笑った。 「こんな小さい祭、高校生にもなってわざわざこないだろ」 確かにその通りだ。参加者している子供は幼い子ばかりだ。 それもそのはずだ。 小規模な屋台があるだけで、あとはやぐらを囲んで盆踊りをするだけだから。
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