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「父さんっ」
美由たち再び唖然となるが、桜井の次のセリフを聞いて二人はもっと驚いた。
「あんたら誰だ」
待てぇーッ!?
ファノンもあたしもみたび、あっとなる。
これは、つまり……
「ソウデス。ボクデス」
しょげた態度でヴィミニーが現れた。
「魔法使った。メレディーツ、失格って。落第かくていしました。ぴいいいいっ」
泣き声のヴィミニーはかわいそうだが、かわいそうなのは桜井通も同じだ。
「魔法は解けないの?」
「いったんかけたいじょうとりけせません」
「どういう理由で失格したの?」
「りゆーはぜんいん戻るまでゆえないそうです。でもヴィミニー、この大バカモノってゆわれました」
大粒の涙をポロポロこぼすヴィミはおいといて、あたしは三人を見比べた。
美由と立木と桜井。
似てない三人があの男を父と呼ぶ。
その謎が今、この場所で明らかになるのだろうか。
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