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 校庭の桜の木の枝に並んで坐る。 「桜井問題だね」 「桜井問題だ」 「男だね」 「男だ」 「そりゃあ死ねだわ」 「そりゃあ許せだわ」  では、幸せは? 「仲直りか?」 「破談か」 「宝くじでも当ててやるか」 「あまりにも漠然でしょうそれ」 「当てることは出来るよ? フィニー、フィニフィー、フィリフィフィー……」 「ストップ!」  あたしはファノンを激睨む。 「お金じゃない」 「お金だよー」  誰、か、わかるこの声…… 「ヴィミニー?」 「当ったりィ」 (何でみんなこのリアク?)  上の枝からぶらんと、鉄棒ぶら下がりの要領で現われたのは、あおの髪、あおの目、ヴィミニー31世だ。 「ボクの担は金ほしくってうずうず」 「何でここにいンの」 「担がもうすぐこっち来るから。あ、来た」  あたふたと走ってくる、スーツ姿の男。  顔見てあたしとファノンがあっとなる。  桜井通……!  金がほしい桜井通。  結婚せかされてる立木里沙。  立木恨んでる沢村美由。  この図式。  こんどこそ事情は明々白々だろう。
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