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「ヴィミニーは金の呪文。うちらは仲直りの呪文でどお」 「ファノンは破談にもちこみ、あたしは美由に新しい男。これでどお?」  よさ そうには思える。  けど……  あとからあとから情報が出る。  簡単に判断するなってコトなのかも知れない… 「金と破談と新しい男でいいのかもしれない。でも違う側面が、あとから出たらどうする?」  ヴィミニーとファノンが顔見合わせる。 「三時間待とう。三時間経って新展開なければ、金と破談と新しい男でいこう。それでどお?」 「意議なあし」  とりあえず各々の担に張り付く。  沢村美由を見守る。  あらためて思う。  すごい美人。  立木なんて足許にも及ばない。  でも心映えが黒い。  一瞬もゆるがず立木を恨んでる。  それも『こんな美人のアタシを振って!』ならまだ可愛げがあるけど、ーもニもなく立木が憎い。  どういう心理構造してるのか。  生徒が生活日誌持ってきたが、そこ置いて、みたく場所を示しただけで、顔つきさえ変わらない。  生徒……好きじゃない?  学校は?  自分の職業は?  沢村美由、あんたどーゆー人なのよ……  見ているだけでは何もわからないので、とりあえず立木たちの方を見に行った。  ファノンとヴィミニーが手招きする。 「修羅場修羅場」  まじで?  並んで覗くと、うん、確かにそこは修羅場だった。
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