01.幼馴染で先生で

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「で? その先生とは仲直りしたの?」 「仲直りって……別に喧嘩してる訳じゃあ……」 「そうだね、一方的に避けているのは喧嘩とは言わないよね」 「う……」  そう、ここ数週間……たもっちゃんとはまともに話をしていない。  なんでかというと……。 「だって、恥ずかしくてたもっちゃんの顔、まともに見えないよ!」 「何をいまさら……」 「だって、あんなの有り得ないでしょ!?」 「まあ、確かに有り得ないけど……」  今思い出しても、恥ずかしさで叫び出しそうになる。  数週間前、雨に濡れて帰ってきた私は自宅でシャワーを浴びたあと、体重計と戦っていた。一グラムでも軽く表示されてほしい! そう思って片足を上げたり、つま先立ちをしたりしていたんだけど……よりにもよってそんな時に、遊びに来たたもっちゃんが脱衣所のドアを開けた。 「あ、悪い」  なんて言ってすぐにドアを閉めてくれたけれど……でも、見られた。素っ裸で体重計に乗って、しかもつま先立ちでプルプルしているところを、たもっちゃんに見られてしまったのだ。 「ほんっと有り得ない! たもっちゃんに体重見られるなんて! しかもあの日、いつもより五グラムも多かったのに!!」     
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