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「美優は、それより裸を見られたことの方を恥らおうよ……」
呆れたようにゆきちゃんは言うけれど、私にとっては一大事だ。スタイルのいい姉を持つ妹としては、一グラムでも軽く思ってもらいたい! お姉ちゃんよりも重いだなんて、たもっちゃんにだけは知られたくなかった……。
「あ、可愛いといえばね」
はいはい、と私の悲痛な叫びをゆきちゃんは聞き流すと思い出したように言った。
「この前さ、A組の子から聞いたんだけど」
「A組?」
A組といえば、うちの学校の中でもトップレベルの子たちが集まる特進クラスだ。そんなクラスでいったいなにが話題になっていたというんだろう。と、いうか勉強以外の話をするA組なんて想像がつかないんだけど……。
「なんかね、A組にね、美優のことを好きだって男の子がいるんだって」
「へー、美優を……って、えええ!? 私を!?」
「うん、そう言ってたよ」
「そ、そうなんだ……。でも、私たもっちゃん以外興味ないからなー」
気にならないふりをした私に――ゆきちゃんはそうだよね、と頷いた。
「美優が好きなのは藤原先生だもんね。だから、美優には好きな子がいるよーって言っておいた」
「え……なんで!?」
「なんでって……興味ないでしょ? 他の男子なんて」
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