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十四歳になって初恋もまだなんて、と笑っていた子もいたけれど、初恋を大事にとっておけるのってすっごく素敵なことだと思う。だって、この後もし好きな人が出来てその人と付き合えるようになったら、初恋の人が彼氏だなんてとってもハッピーじゃない!
そう言った私にゆきちゃんはありがとうって照れくさそうに言ってたっけ……。
「で、でもね! 気になるっていったって、ちょっとだけ! ちょっとだけだよ! 私はたもっちゃん一筋だしね!」
「はいはい。ところで……そろそろ急がないと、そのたもっちゃんに怒られちゃうよ?」
ゆきちゃんの言葉に、近くのコンビニの壁にかかる時計を覗き見ると――チャイムが鳴るまで、あと十分しかなかった。
「や、ヤバい! ゆきちゃん、急ごう!」
私はゆきちゃんの手を引っ張ると、学校に向かって走った。
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