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それは紛れも無い、勇者の本音だった。
魔王の言ったことは間違いではないようだ。
彼女は今、勇者から少女になろうとしていた。
「強情なやつだな
ならば、もし我が復活した時は
また貴様が勇者として立ちはだかるのだな?」
その言葉に勇者は、顔をあげ、力強い言葉で返す。
「当然だ!
なんどでも貴様を倒そう!!」
「そうか・・・
では、その時までしばしの別れだ」
魔王の身体が、崩れ始める。
そして勇者の身体も光の粒になって消えていく。
「ああ、貴様が復活するようなことがあればな」
「我は魔王だ
必ず蘇ってみせよう――――」
「いいだろう
なら、その時にまた―――――」
「ああ―――」
――――――――――――また会おう。
二人の身体が、世界から消える。
こうして、この世界での魔王と勇者の物語は終わりを遂げた。
その後、この世界に魔王が再び現れることはなかったという。
そう、二人が最後に交わした奇妙な約束は果たされなかった。
でもそれは、この世界での話。
魔王と勇者は再び出会う。
その時、一体何が起こるのだろうか?
また戦いが始まるのか、それとも―――――
新たな世界で、魔王と勇者の物語は再始動する。
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