一学期 第1頁 魔王、勇者と再会する 

3/9
前へ
/299ページ
次へ
 「Zzz―――」  「おにぃ! 朝だぞ!!」  「ん・・・・・まだ眠い・・・・・」  「いいから起きろ!!」  「ぐへっ!」  身体に圧し掛かられる衝撃で、目が覚めた。    「やっと起きた   今日から新学期でしょ?   おにぃも私も、皆より早く登校しないとダメなんだから   さっさと仕度する!」  「朝から元気だな~」  寝ぼけた声で言う。  「当たり前でしょ!?   今日から私も高校生だよ!   おにぃは生徒会長なんだからシャキッとしてね()()!」  「はいはい」  どうもおはようございます。  ユウマです。  何度も言いますが、これでも元魔王です。  今日から新学期が始まります。  俺は二年生になり、生徒会長になりました。  今日の始業式では、新入生に挨拶することになってます。    そして、この元気な子は、妹の(マイ)です。  マイは今年から、俺の通う私立三好(みよし)高等学校の新入生になりました。  つまり俺の後輩です。    「ほら、朝ごはん作ったから   早く食べて行くよ!」  妹は毎日、俺より早く起きて朝食を作っている。  他にも掃除、洗濯、家事全般をしてくれている。  本当に出来た妹だ。  そして、容姿も良い。  まだまだ子供っぽさが残っていて、身体も成長途中だが、  今でも十分アイドルになれると思う。  妹じゃなかったら、プロポーズしてるくらいだ。  という話をすると、シスコンおよびロリコン扱いされるので控えている。  ちなみに、さっき話した俺の両親は、今は一緒に住んではいない。  二人とも仕事の関係で去年から海外にいるのだ。  そのため、今は妹と二人暮らしである。  別に寂しくは無い。  妹もいるし、何よりもっと元気な奴がいるから・・・・・  ピンポーン  そんなことを考えていると、インターホンがなる。  「はーい、もうすぐ出まーす!   ほらおにぃ、早く着替えて!」  「わかっているよ」
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

331人が本棚に入れています
本棚に追加