64人が本棚に入れています
本棚に追加
「ホームラン!」
ゼベが無邪気にガッツポーズを取っていた。
「ふっ…今回も余裕の戦いだったな」
俺はゼベに笑いかける。
「兄さん、足震えてますよ」
ゼベに指摘され、バッと足に木の枝を集めて隠した。
「全く、もう何回も撃退してるんだからそろそろなれたらどうです?」
ゼベがクスクスと笑いながら言ってくる。そんなこと言われても怖いものは怖い。今までは王国の人たちが盗賊の相手もしていてくれたのだが、1ヶ月前に突然盗賊の相手は出来ないから撃退は任せるとの手紙が来た。何でも、親父との誓約書には次代の警護は含まれていないとのこと。ふざけるなよ王国め、次の《点検士》の時は落とし穴でも作ってやろうか、と考えて悪い笑みを浮かべていた。
最初のコメントを投稿しよう!