第二話 『高慢Ⅱ』

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「揚羽ちゃん、君の能力は心に大きな負担をかける。だからこそ、休むことも君にとって大切な仕事なんだ。分かるかい?」  揚羽が初めて現場に出向き、凄惨な死体を目の当たりにした時のことを思い出す。ズタズタにされた肉片から漂う死臭、そしてその状況から犯人と同調し、分析をしなければならないプレッシャー……彼女は涙を流しながら、何度も嘔吐しながらも初めての捜査を全うした。 「……そこまで言うのなら、仕方ないな……今日は帰ろう。だが、私の身を気遣うのなら君がしっかりと送迎してくれ。私の身を気遣うのなら、当たり前だとは思うけれどね?」 「はいはい……」  
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