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第二話 『高慢Ⅱ』
犯罪率が大きく上昇した現代日本。警察組織では、秘密裏に『ストックホルム・チャイルド計画』……通称『SC計画』が行われていた。その計画とは、過去に凄惨な犯罪の被害を受け、異常な犯行状況により精神的な異常を起こし、被害者でありながら犯人と心理的に同調・共有をした疑いのある『ストックホルム症候群』と診断された子供たち……彼らを捜査に加えるという内容だ。
彼らは犯罪者の心理や思想を深く理解しており、犯罪者の視点に立ちながら子供が持つ豊かで柔軟な想像力を用いて事件を分析、捜査する事が出来る……そんな理論の元で『SC計画』は秘密裏に施行された。
しかし、当然ながら犯罪被害者である子供の精神的疾患を利用するという非人道的な計画に、警察内部でも批判は殺到した。だが、その批判もやがて揚羽が実績を重ねるにつれて減少していった。
揚羽は限られた物品や遺体からでも、犯人像を詳細に分析して見せた。そして、多くの事件を迅速に解決した。揚羽によって得られた功績を、もはや否定する事など出来なかった。
「揚羽ちゃん、どうかな」
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