本当は気づいていたんだ。

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あの日彼女に告白されて断ろうと思ったんだけど、俺のことを見て顔を赤くする恵を思い出して告白を受けることにした。 じゃないといつまで経っても恵は俺の側を離れられなくなっちゃうから。 恵を幸せにするためにも今ここで突き放さなきゃって思ったんだ。 彼女と付き合うから登下校は別でって言ったときの恵の顔は一生忘れられないと思う。 笑顔で泣いてたから。 顔は笑ってたけど、心が泣いてたから。 恵が立ち去ったあと彼女と帰った。 そして自分の部屋に入った時、俺はすごく嬉しかった。 恵の泣き声がして。 小さい子が泣くみたいに泣いてる恵。 そんなふうに泣くくらい俺のこと好きだと思ってくれてるんだなって。 本当に嬉しいかった。 いつかその涙が止まって、恵が新しい恋を覚えたとしても俺はずっと君を見てるよ。 大好きだよ、恵。
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