木の精霊

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春の訪れを感じ、成美は裏山に来ていた。今回の服装は山登りには、不釣り合いであるが、春を感じさせる桜模様の入ったピンクの着物を着ている。 そして、大きな大木の前で足を止めた。御神木と言っても過言ではなく、周りの木よりも2回り程大きい。しかし、まだ葉っぱが1枚も出ていない。 その木の根元にしゃがみこむと、30センチ程のそこそこ大きい石をひっくり返した。 するとそこには、みどりの帽子を被り、サンタクロースのような長い髭を生やして、茶色い綱木を着た15センチのおっさんが寝ていた。 「ムーさん、起きて下さい。もう春になりましたよ。」 成美はムーさんを揺り起こす。
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