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夫婦らしき二人が家から出ていき家の中が静まり返ったのを確認した俺は窓を割った。
金目のモノを探そうと、足を踏み入れた部屋を一周見渡したところで微かに女の子の声が聞こえた。
そっと聞き耳を立てると
『神様、どうか、助けて下さい。』とか
『神様。私をここから連れ出して下さい。』とか
延々と同じ台詞が聞こえる。
声のする場所を見つけると部屋の窓に向かい手を合わせる小学生くらいの小さな女の子がいた。
俺は何も考えず当たり前のように返事をしていた。
「どうしたんだい?」
目の前の女の子は俺をずっと待っていたこと、日常的に繰り返されている両親からの非道を涙を流しながら語った。
月に照らされた女の子の顔は目だの鼻だのがどこにあるのかわからないほど腫れ上がり、膿んで何かが滲み、固まっていた。
骨が透けて見えそうな痩せた手足が黒々と変色していた。
「行こう。」
俺は気付けば女の子の手を引いていた。
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