少女の願い

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玄関を出たところで女の子は膝を付いた。 『神様、私、歩けません。』 痩せ細り、痣まみれの足はたった玄関までもが限界だった。 「立て。自分で歩くんだよ。自分で歩かなきゃ誰も助けてくれねぇんだよ。」 俺の言葉にこちらを見上げた女の子の膿やら何やらで固まった睫毛が涙で濡れていた。 「でも手は貸してやる。だから怖くはねぇよ。」 繋いだ手を強く握り返した女の子は言った。 『神様、私、歩きます。』と。 飛び出した夜道の中、俺は心の中で叫んでいた。 神様、あんたは俺のことは救ってくれなかった。 だけどこの子は救ってやってくれ。 頼むよ。 これからどうしたらいいか正直わからねぇ、 だけど俺はきっとこの願いが届くような気がした。
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