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どうやら私の彼氏が護ではないということに気付き、私が捏造した話を信じたようだ。
「早く食べないとお昼休み終わっちゃうね。少し急ごうか」
「あっ、はい」
急いでお弁当を食べ終わった後、奥田さんはお弁当箱を片付けながら、何度も首をかしげた。
「さっきからどうしたの?今はもう時間ないけど……仕事の後で良ければ、話を聞くくらいはできるよ?そうだ、金曜日だし飲みに行こうか」
お酒の勢いを借りて護の裏の顔を奥田さんにも教えてやろうと、初めて自分から奥田さんを飲みに誘った。
もしかしたら断られるかなと思ったけれど、奥田さんは至って素直にうなずいた。
「それじゃあお言葉に甘えて……話を聞いてもらってもいいですか?」
「いいよ、今日はとことん飲もう。そうだ、せっかくだから私の友達も呼んでいい?何かいいアドバイスしてくれるかも!思いきり飲んでパーッと騒いで、イヤなこと全部忘れちゃおう!」
「それもいいですね」
なんとかうまく奥田さんを誘うことに成功した私は、スマホを持ってトイレに走り、個室の中で急いでメッセージを入力した。
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