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おじさんにお礼を言ってママについて行くと、別の席に通された。
そこはさっきとはまた違う、格別豪華な部屋だった。VIPルームの様で、ソファー等もさっきのよりも豪華で高そうなものが置かれている。
たった一つのそのソファーで、一体どれだけの日数の食費が賄えるのかしら。
座るのが勿体ない位の値段がするソファーよ、きっと。
でも、そのソファーに堂々とエラソーにふんぞり返っている、王様みたいな男が目についた。
アルマーニの高級スーツに身を包み、短い黒髪をきっちりセットしたヘアスタイル。切れ長の瞳で、鼻筋も整っていて、端正な顔立ちの男。
見るからにお金持ちそう。さぞかし女性におモテになるんでしょうね。
まあ、貧乏な私には無縁の男だわ。タイプでも無いし。
「これは王雅様、いらっしゃいませ」ママが斜め四十五度の角度できっちり頭を下げた。「今日は新しい子が入店してますの。王雅様に紹介しますね。ミューちゃんって言うの」
「こ、こんばんは・・・・」しぶしぶ挨拶した。
えーっ。私を紹介するってコトは、この男の席に着いて、相手しなきゃいけないのぉ?
冗談キツイわ。
こんな男の席なんてイヤよ。おじさんの席に戻してー。
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