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あ、そっか。私はヘルプだもんね。もう既に綺麗なホステスがこの男にくっついているんだもん。別に私が相手しなくてもいいんだわ。
隅に引っ込んでようっと。
彼等が適当に会話をしているのを、まったく頭では別の――五千円の使い道や、節約食事のメニューばかり――を考えて、愛想笑いしておいた。
ホステスっていうのは、大変な仕事ね。私はヘルプだからいいけど、好きでもない男の相手をするのは大変よ。たまに身体触られたりするんでしょう?
あーイヤだ。
時給一万円位貰っても、バチは当たらないと思う仕事よね。
暫くすると、ごゆっくり、とママが席を立って行った。
更にもう暫くすると、先輩ホステスが私にとんでもない事を耳打ちしてきた。「ミューちゃん、王雅様がミューちゃん気に入ったみたいだから、後宜しくね」
はあっ!? 後宜しくねって、無責任じゃない!
ヘルプの新人残して、みんなドコ行っちゃうのよっ!!
ちっょ・・・・ちょっと待ってよ。この男と二人っきりになっちゃうのぉ!?
気に入ったって言われても・・・・こんなダサく仕上げたホステスになりきれてない女を、気に入ったりするぅ?
お金持ちの趣味は良く解らないわ。
はーっ。勘弁してー。
ひきつった笑いしか出なかった。
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