スマイル1・王様をビンタで成敗

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  「おっ・・・・お前――」  バチン!  何するんだよ、と言いかけた男の頬を張り飛ばした。 「女をバカにしないでよね! アンタみたいな男、たとえ一億円積まれたってお断りよ!! 男のクズっ、消えなさい!」  ガン、とデキャンタをテーブルに叩きつけ、私は席を立った。 「すみません、やっぱり私この仕事ムリです。今日で辞めさせて頂きます」  奥の方で呆然としているママに向かってぺこりと一礼して、そのまま店の外に出た。  店の外に出て気が付いた。  私の五千円――――っっ!!  五千円貰い損なったのは、あの男のせいよっ!  でも一時間は働いたから、慌てて着替えを取りに戻って、無料でレンタルしたドレスもちゃんと返して、しっかり一時間分の給料と往復の交通費はゲットした。  こんな目に遭ったのに、タダで帰れないわ。働いた分はキッチリ貰わなきゃ、やってらんない。  ホステスの仕事は全く私に向いてないし、もう金輪際やらないでおこうと思った。
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