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「ふーん、そっかぁ。でも、早く好きな人ができたらいいねー。オレ、江里の恋、応援するゾ!」
まりなちゃんは、自分の事を『私』と言わず、『オレ』と言う。喋り方もちょっと漫画のキャラみたいで面白い。でも、可愛いから不思議と馴染んでしまっているし、私も最初はちょっと驚いたけど、もう慣れた。
「美羽は? 好きな人出来た?」
「えっ、私!?」急に振られて焦った。「べ、べ、別に居ないわっ」
焦って変な言い方になってしまった。するとまりなちゃんはニッコリ笑って、いるんだー、って言うの!
「ち、違うってば! いないわよ、好きな男なんてっ!!」
「隠さなくてもいいのだぁ。あ、もしかして美羽、王雅が好きなの?」
「誰があんなヘンタイ!! 絶対お断りっ。王雅なんて好きじゃないしっ!! ヘンなコト言うのやめてっ!」
めいっぱい、ムキになって否定した。
「ふーん、そっか。お似合いだと思うのになぁ」
「やめてよ、まりなちゃん! あ、そうだ。こっちの方大分調理終わったし、パラソル一人で王雅大変だろうから、あっち手伝いに行って来るっ」
逃げるようにして、調理場を離れた。
もう、まりなちゃんってば、何を言い出すのかしら!
私が王雅を好きだなんて、絶対ありえないから!!
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