スマイル16・王様とキス

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  「ふーん、そっかぁ。でも、早く好きな人ができたらいいねー。オレ、江里の恋、応援するゾ!」  まりなちゃんは、自分の事を『私』と言わず、『オレ』と言う。喋り方もちょっと漫画のキャラみたいで面白い。でも、可愛いから不思議と馴染んでしまっているし、私も最初はちょっと驚いたけど、もう慣れた。 「美羽は? 好きな人出来た?」 「えっ、私!?」急に振られて焦った。「べ、べ、別に居ないわっ」  焦って変な言い方になってしまった。するとまりなちゃんはニッコリ笑って、いるんだー、って言うの! 「ち、違うってば! いないわよ、好きな男なんてっ!!」 「隠さなくてもいいのだぁ。あ、もしかして美羽、王雅が好きなの?」 「誰があんなヘンタイ!! 絶対お断りっ。王雅なんて好きじゃないしっ!! ヘンなコト言うのやめてっ!」  めいっぱい、ムキになって否定した。 「ふーん、そっか。お似合いだと思うのになぁ」 「やめてよ、まりなちゃん! あ、そうだ。こっちの方大分調理終わったし、パラソル一人で王雅大変だろうから、あっち手伝いに行って来るっ」  逃げるようにして、調理場を離れた。  もう、まりなちゃんってば、何を言い出すのかしら!  私が王雅を好きだなんて、絶対ありえないから!!
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