スマイル16・王様とキス

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  「さあ、今から焼くから、いっぱい食べましょう」  火の準備も終わっているから、何時でも焼ける状態よ。とりあえず食べましょう。腹ごなししなきゃ! 「もういい。食いたくねえ」  ブスっとふくれっ面を見せて、プイ、と王雅がそっぽを向いた。  あら。怒っているわ。 「王雅、何膨れてんのよ。準備一人でさせちゃって、ゴメンね? 皆で食べるととっても美味しいから、そんなコト言わずに機嫌直してよ」  もしかして、キス出来なかったコトを怒っているのかしら。  だったら貴方みたいな男、幾らでもキスしてくれる女性位いるでしょう。  私じゃなくても、別にいいじゃない。 「お前が食わせてくれんだったら、食ってやってもいーぜ」  桃園の時に食べさせたみたいに、奉仕しろと言い出した。  相変わらず上から目線ね。誰に向かって言っているのかしら。 「何言ってんのよ。セルフよ、セルフ。そんな事言ってたら、無くなっちゃうわよ」 「じゃあ、食わねー」 「あ、そ。じゃあ勝手になさい」  とりあえず忙しくなるから、王雅は放っておきましょう。  後から焼いたお肉とか野菜、持って行ってあげればいいわ。
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