スマイル16・王様とキス

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 不愉快が顔に出ていたのか、王雅は私の考えを読み取ったかのように、お前の考えは俺が変えてやる、と言い出した。 「男と女が抱き合う事が、不愉快な行為なんて絶対言わせねーよ。だから、俺を好きになれ、美羽。俺が全部受け止めて、お前の大切なものも全て、守ってやるから」 「アンタなんか・・・・」  男なんて、みんな一緒。  王雅だってそうよ。  施設の土地を盾に私を抱こうとするような、最低の金持ちセクハラ男なんだから。  何が、私の大切なものも全て守ってやる、よ。出来もしないクセに。  そうは思うものの、今では心からそう思えなくなってしまった。  どうしてなのかしら。  飽きたらポイ捨てされることは、目に見えて解っているというのに。 「怖い顔して睨んでるけど、俺の何が気にくわねーんだよ。俺様は容姿もいいし、金もあるし、お前の欲しい土地持ちだし、ガキ共にも好かれてるし、言う事ねーだろが。これ以上の男はいねーと思うんだけど」 「バカじゃないの」  この男のこういう所、本当にどうにかならないのかしら。  自分でそんなコト言っちゃう?  普通じゃないわ。やっぱり王様よね。感覚がズレてるのよ。
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