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「ほっ、ほしっ・・・・欲しくないわよっ!!」
声が震えた。
しかも、欲しいって、危うく言いかけてしまった。
「声、うわずってんぞ。素直になれよ。俺が欲しそうな顔してるクセに」
キスされそうな位、近くまで迫られた。
どうしよう。私、そんなに王雅が欲しそうな顔してたの!?
でも実際、そう思ってしまっているのには、違いないけど。
あ、もしかして、これはまだ夢の続きなのかしら。
貴方が欲しいって思うなんて、何時もの私じゃないもの。そうだわ。さっきのように、これもきっと夢なのよ。
夢の続きだったら、このまま――・・・・
王雅を受け入れようと思って、覚悟を決めてぎゅっと目を閉じた。
「お兄さん、ミュー先生、何してるの?」
不意にリョウ君の声がした。
うそっ!?
やっぱり、夢なんかじゃないんだっ!
慌てて目を開けると、王雅がエロくて悪い顔をそのまま声をかけたリョウ君に向け、とんでもない事を言い放った。「リョウ、女にはこうやって迫るんだよ。覚えとけ」
「バカッ! リョウ君にヘンな事教えないでよ――っ!!」
考えるより先に手が出ていた。
久々に王様の左頬に、私の強烈なビンタが炸裂した。
焦っていたから普段以上の力が入ってしまい、王雅の頬が赤く腫れ上がったのだった。
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