2108人が本棚に入れています
本棚に追加
「まっ・・・・まりなちゃん! もうっ、やめてよっ!!」
「だって美羽、昨日――・・・・モガッ」
昨日、と言われて、慌ててまりなちゃんの口を塞いだ。「ちょっと来て」
彼女の口を押さえつけたまま、王雅の前から連れ去った。
ぽかんと成り行きを見つめていた王雅を残し、彼から見えない所までまりなちゃんを連れて行った。
「ううーっ、んー」
「ごめん、まりなちゃん」
王雅から大分離れた所で、苦しそうにしていたまりなちゃんの口から自分の手をどかせた。
「それより・・・・昨日のアレ、見ていたの?」まりなちゃんに詰め寄った。
「ん? 昨日のアレ?」
まりなちゃんは首をかしげている。
「とぼけなくてもいいわよ。見たんでしょ。私がうたた寝している王雅にキスしてたとこ」
「エエ――ッ!? 美羽、王雅にキスしたの――・・・・モガッ」
まりなちゃんが大きな声を出すから、再び慌てて口を塞いだ。「ちょっとまりなちゃん、大きな声出さないでっ! 王雅に聞こえちゃうっ」
「ゴメン。でも、美羽・・・・王雅にキスって・・・・やっぱり美羽は、王雅のコト好きなの?」
「・・・・」答えられなかった。考えた末、出した答えはこうだった。「王雅の事は、好きじゃない。でも、嫌いじゃないわ」
最初のコメントを投稿しよう!