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今ならまだ間に合うわ。
さっさと飽きてもらって、ポイされて、違う女の所へ行ってもう私には関わらないでもらえるように、自ら願っているんだもの。
王様と奴隷の関係なら、何されたって傷つかない。どんなに酷くされても、踏みにじられても、そこに心が無ければ耐えられるし、私はまた、強く立ち上がっていける。
もう既に一度、耐えれたんだもの。
王雅も花井と同じだと思えばいいの。
ただ、それだけのこと。
「美羽・・・・どうしてそんなに悲しい顔をしてるのだ? オレ・・・・王雅と美羽、上手く行って欲しい。好きなら・・・・素直に好きって言ってもいいと思うのだ。オレ、応援するから」
まりなちゃんが、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。
「ありがとう、まりなちゃん」
彼女の優しいキモチが溢れていた。まりなちゃんが注いでくれる優しい愛情だけで、私は十分だった。
「まりなちゃん。そろそろ戻って、朝食の準備しましょう。私なら大丈夫よ。子供たちだって大勢私の傍にいてくれるし、まりなちゃんみたいな素敵な友達だっているし、私は何も淋しくないの。毎日幸せだから、好きな男なんかいなくても、生きていけるわ」
「美羽・・・・」まりなちゃんが悲しそうな顔で私を見つめた。
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