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――みんなー、美羽よー、ヨロシクねーっ。
アイドルになった自分を想像して、気色悪、って思った。
フリフリのパンツ見えそうなミニスカート履いて、ハートをまき散らしながら可愛らしい歌を歌うなんて、全く私には似合わない!
こんな私がアイドルなんかやっても誰も見向きもしないし、CD出しても売れないと思う。
江里ちゃんくらいカワイイ娘がやるから、価値があるのよ。
でも、本当に大変なお仕事だと思う。
できるだけで尊敬に値するわ。
「だったら、息抜きしたくなったら施設にいらっしゃいよ。江里ちゃんだったら、大歓迎よ。子供たちも喜ぶし。勿論、私も」
「本当ですか!? まりなさんもそうですけど、私、お仕事始めてからは、なかなかお友達に会える機会もなくなってしまって。有難い事にお仕事が増えつつあるのですが、プライベートな時間が減っているんです」
「お仕事が辛い時は、何時でもいらっしゃい。何も無いけど、お茶くらい出して、愚痴のひとつくらいは聞いてあげれるから。まだ若いんだし、無理して気負わずにね。じゃないと、潰れちゃうわ。頑張るのは今しか出来ないけど、身体や心にお休みもさせてあげないと」
「はい! 美羽さん、ありがとうございます。是非また、施設の方にも遊びに行かせていただきます」
江里ちゃんが笑った。
可愛らしい少女の笑顔を見せてくれた。
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