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「あら。そういえばまりなちゃん、残りの食器まだ運んできて無いわよね」
お喋りしながら洗い物をしていて、全部洗い終わったけどまだ食器が足りないことに気が付いた。
「まりなちゃんの様子、見て来るわね。江里ちゃん、乾いたものからホールに持って行って片付けてくれるかしら?」
「はい、わかりました」
素直で、いい子ね。
彼女がアイドルとして売れるのは、容姿が可愛いからだけじゃなくて、素直で、素敵な女の子だからなのね。
私も江里ちゃんの事、応援したいな。
でも私は貧乏だし、沢山の雑誌やCDを買ったりすることは出来ないから、江里ちゃんが疲れた時、お茶を出して心を休めてもらえるような、そんな場所を提供出来たらって思う。
私には、私にしか出来ない応援のやり方があるわ。
「まりなちゃーん」
まりなちゃんがまだ戻って来なかったので、テーブルの方に向かって歩き、彼女を呼んだ。
「まり――」再び呼ぼうと思ったその時、
「エーッ!?」
向こうの方から、大きなまりなちゃんの声が聞こえた。
見るとまだ先のテーブルの方で、王雅と何やら楽しそうに話しているまりなちゃんの姿が目に付いた。
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