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まりなちゃんを見つめて、楽しそうに笑って、王雅が彼女の頭を軽く小突いている。ふわふわの肩までの金髪を撫でて、優しい顔で、まりなちゃんに何か話しかけていた。
それを見て、何だかモヤモヤした。
王雅の優しい顔は、あの笑顔は、私だけが知っているハズなのに。
他の誰にもその顔、見せないでよ――
そんな事を考えて、ハッと気が付いた。
私は一体、何を考えているの。
ヤキモチ?
まりなちゃんに?
まさか。
私ともあろうものが。
セクハラ大王に対して、モヤモヤしちゃうなんて。
本当に、どうかしているわ。
これ以上心が乱れる前に、私は彼等に背を向けて、調理場へ戻った。
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